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患者等への医療情報提供の推進 (解説)
2007年4月より全面施行された第5次改正医療法の中でも、「患者等への医療情報提供の推進」を目的とした改正点は、今後の医療機関経営にも直接大きな影響があると考えられます。

患者等への医療情報提供の推進
  • 広告規制の見直しによる広告可能事項の拡大
  • 『医療機能情報提供制度』の創設


広告規制緩和について

従来の広告規制は、『広告したければ、定められた範囲で広告をしても良い』という趣旨のものでした。今回の改正でも『広告』としての規制は引続き続くこととなりましたが、広告できる情報は大幅に緩和されました。

今回の改正では、患者の平均待ち時間、医療機器設備、施設の写真、セカンドオピニオン対応、看護師など医師以外のスタッフの氏名や専門資格など、多くの広告可能項目が追加されましたが、いわゆるアウトカム情報(治療結果や患者満足度など)そのものは、”情報の客観性を判断することが困難であるため”引続き広告規制の対象となりました。しかしながら、「治療結果に関する分析の実施の有無」や「患者満足度調査の実施の有無」とともに、「調査結果の提供の有無や情報提供方法」が広告可能となったことは、将来的なアウトカム情報開示にもつながる動きとして注目されます。

また、従来からグレーゾーンであったインターネットは、「広告規制の対象外である」ことがガイドライン上で明文化されました。
広告規制の対象範囲ページの最下部に記載があります

これまでも「インターネットも規制すべき」との意見はありましたが、政府がついにインターネット上の情報について規制しないことを公式に宣言し、逆に都道府県を運営主体とする公設の【医療機能情報公表制度】を創設してインターネット上における医療情報の質を高める方向に大きく舵を切ったという観点から、エポックメイキングな政策転換だと考えられます。


医療機能情報提供制度について

今回の改正によって、『広告』とは別に患者が医療機関を比較・選択しやすくするための情報として、都道府県が主体となる『医療機能情報提供制度』が実施されます。平成19年度中は医療機関の名称、開設者、所在地、電話番号、診療科目、診療日、診療時間等の『基幹情報』につき検索可能なシステムでの公開まで、平成20年度から全ての項目の公表が義務付けられる予定です。
情報公表項目については、情報項目一覧ページを参考にしてください
各都道府県の情報サイトは、都道府県別公的情報サイト(リンク集)を参考にしてください

この制度では紙ベースでの情報閲覧は補助的なものに留まることから、情報の公表は都道府県が開設するインターネット上のサイトが主となります。なお、情報を利用するのは患者だけにとどまらず、医療機関、特に患者の紹介先医療機関を探す開業医や急性期病院の地域連携室等が一番のヘビーユーザーになることも考えられます。

これから毎年、各都道府県(政令市)からすべての医療機関に対して医療機能に関する詳細な報告が求められますが、報告した内容が各都道府県が開設する公的情報サイト上で自動的に公表されることとなるため、報告内容によって医療機関の経営面に大きな影響を与える可能性があります。


各医療機関が対応すべきこと

今回の制度改正は行政主導で行われましたが、一般企業においても情報公開(ディスクローズ)が当然の時代となり、医療界に対しても情報公開への社会からの圧力が高まっているという社会的背景は無視できません。すなわち、情報のディスクローズが不十分な企業が市場から淘汰されるのと同様な環境変化を迎えることを、これからの医療界も覚悟しなければなりません。

したがって、これまでのように広告や情報公表をネガティブに考えるのではなく、各医療機関が積極的に取り組んでいること、自院がもっとも得意とする分野、自院で可能な検査等に関する情報、自院の治療成績や患者満足度などを積極的にアピールし合うことを通して、患者にもっともふさわしい医療機関を紹介し合う質の高い医療連携を構築することにつながる仕組みとして前向きにとらえることが必要です。今回の広告規制緩和は、第5次医療法改正のもうひとつの大きなテーマである「医療機能の明確化と連携の促進」にもつなげるための、非常によく練り上げられた政策なのです。

具体的に各医療機関がまず対応すべきことは、自院の機能として前面に出すもの、言い換えれば『自院の目玉』が何なのか、を明確にすることです。医師の専門分野、自院の設備といった内部環境と、競合医療機関や連携先との関係、診療圏内の住民層等の外部環境から、自院の機能として強調したい機能をどのように位置づけるべきか早急に検討してください。

また、自院の機能として強調したい機能、実際の受付時間や休診日等の基本的情報等については、各種届出書類とズレが生じていないか確認しておきましょう。自院の機能と実際の届出にズレが放置されていることが判ったら、直ちに所轄保健所、社会保険事務所等に変更の届出を出しておく必要があります。

治療結果や患者満足度調査結果については、患者や連携先の医療機関が紹介先を選択する際に参考とする情報としての重要性が高まると考えられます。定期的な調査分析を実施することはもちろんのこと、治療実績(=自院のアピールポイント)や調査結果(=自院に関する評判)もできるだけ積極的に外部に提供し、”開かれた経営姿勢を示す”ことが重要になってきます。


このサイトの各ページでは、厚生労働省が2007年3月に公示した『医療広告ガイドライン(案)』の概要を、原文のまま掲載しています。(正式なガイドラインは4月中に公表される予定です。)
いち早くこの新制度に対応して、自院の特徴を活かした経営戦略や広報戦略にお役立てください。

2007年4月 株式会社ケアレビュー
http://www.carereview.co.jp
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